2023/04/02

「この世界の誰一人見たことはないものがある」 ものと表された、それについて何かが蠢く予感。ものに関して、お互いの意見が述べられるが、具体的なことはハッキリせず、明るくはならないまま始まった。無邪気に明るい櫛枝なる女。彼女は誰の目に見ても好きになり得る女であると見えそうな始まりで、容姿が良くて愛想もピカイチを呈していた。でもそれだけじゃ…と勘繰るのは現代過ぎているのかもしれない。手のりタイガーが(恐らく当時としては)最もアニメらしくヒロインらしく竜二の目の前に立って動いたのにして、不器用に鈍感にも立ち回るのはそれもヒロイン前としてるのに、何か物足りなくて愛おしくて良い。繊細は細部に宿らぬ部分があるとして、それが誰にも表裏であるのがわかりやすくてよい。とはいえそんな二項対立の話が単純に行くとは安易に進みたくない。が、大河の物足りなさは十分に愛おしくて目を瞠るものがあり、動転を気にしたく、心配したくなる。互いの情けなさの開示に共感を持っても、強がりの態度はその場で優しく裏返して包たくなるものだった。犬とはいえ同じ悩みを持つ共同体としての契がそこにあったので、繋がりを急に強めたい、強くなっていくのを1話にして感じた。毎朝起きて飯を作れる人間はその属性を問わず偉い。それが犬のようであってでも。炊飯器は物語にそんなに丁度良くは無いのだけれど、重ね合わせるためには、重ね合わせるための口実が必要で、重ね合わせるためには少しの間に合わなさと異なりも必要で、それは強める機会なのかもしれない。2人、恐らく彼/彼女が主要の人物であろうが、彼らが哀愁と寂念はところどころで感じさせてくれるが、要所で繋がりの強さは確かに教えてくれるに終わった。来週(明日)も楽しみ。